【ひとり旅4】筑波山登山のついでに茨城の至高の旅館で一泊する話(その4:旅館の夕食編)
前回の記事はこちら。
風呂上がりのビールを飲みながらお酒のメニューを眺める。
茨城のお酒も嬉しいが、青森の田酒に大変心惹かれる。
場所にもよるだろうが地元の浜松に田酒をおいている居酒屋はほとんどない。
ちなみに、手取川だけ反転しているが「裏手取川」という銘柄のようだ。
私はこういったメニューで印刷ミスを見つけると嬉しくなる性格の捻くれた人間だが、残念ながら正しい写真だったようだ。
今回の夕食は部屋食である。
自分の空間で落ち着いて食べられるのは嬉しいことだが、時間まで悶々と待つことしかできない。
独房に入ったら毎日こんな感じなのかな、と思いだしたところでノックの音。
ついに夕食の時間だ。
まず運ばれてきたのはお造りと前菜陣。
前菜は左からトマトの固めたやつ、鴨肉、豆腐の燻製、枝豆、じゃがいもの田楽。
小鉢は蒟蒻そうめんとタコと青菜を和えたやつだ。
語彙力なきゆえ「やつ」が増えるのは許してください。
驚いたのが豆腐の燻製。
豆腐はまるでカナンベールチーズのようにねっとりしていて燻の香り。
クリームチーズも乗っていてまろやかさの権化のような存在だ。
これは完全に日本酒である。早速田酒をお願いした。
ふぅ。。。
お造りと田酒の無限ループに耽っていると、鮎の塩焼きがやってきた。
このあたりは久慈川で採れる鮎が有名のようだ。
胴と腰の曲がり具合が美しい。
鮎も自身が焼き上がっていることに気付いていないかもしれない。
食べると、鮎特有の上品な香味。とても美味しい。
それを下品に頭からバリバリ食べる。
このサイズの鮎を頭から食べるのが普通かどうかしらないが、「鉄より柔らかいものは食え」が私の信条である。
つづいて温かい鉢。かぼちゃのすり流しというらしい。
大変に甘くてクリーミーだ。
「すり流し」というのもちゃんとした旅館や割烹に来ないと知り得ない単語。
これから日常会話で多用することにしよう。
そしてお肉。
常陸牛と奥久慈しゃもだって。
わざわざ感想を述べることがおこがましいよね。
一つ言うならこのしゃも、歯ごたえがしっかりしていて大変に美味しい。
奥久慈しゃものような筋肉質の体があれば、もう少し人生変わっていたかもしれない。
こんなのも来ました。丸茄子の田楽。
カテゴリとしては揚げ物とのこと。
丸茄子は素揚げしてるのかな?ホクホクで旨味がつまっている。
単なる天ぷらでなくてこうして手間をかけていただけるのは非常に嬉しい。
会席料理の天ぷらって後半に出てくるから、何となく消化試合感あるもんね。
最後はツナとトウモロコシの炊き込みご飯。
これはやられました。
コーンの甘さと焦げた醤油の塩っ気、それをツナがまとめて抜群のチームワークになってます。
だいぶお腹も膨れていたが2杯半ほどの量をバクバク食べて完食。
デザートの茨城県産メロンも美味しくいただいて、大変満足な夕食でした。
美味しかったご飯の余韻に浸りながら、敷いてもらった布団の上でダラダラ…
これが旅館の醍醐味に他ならないですよねぇ。
次回へ続きます。
【ひとり旅4】筑波山登山のついでに茨城の至高の旅館で一泊する話(その3:袋田の滝編)
前回の記事はこちら。
無事に(なおかつ快適に)筑波山を下山できたところで、本日の宿に向け車を走らせる。
時刻は13:00。ここから旅館までは2時間以上かかる。
今回泊まるのは「袋田の滝」から歩いていける場所にある小さな旅館。
私は今まで知らなかったが、袋田の滝というのは日本三大名瀑のひとつで茨城の中でも随一の観光地。
別に滝を見たかったわけではないが、予約した宿がたまたまココだったのだ。
ひたすら茨城の北部へ。
ここまで来るとほぼ福島だが茨城は茨城だ。
「茨城に泊まる」というのが今回の旅の最大の目的である。
そして到着。
宿の外観を取り忘れたのでいきなり部屋の写真です。
こちらは「悠久の宿 滝美館」。
館内は古いが、綺麗で調度品やインテリアにも凝っている。
部屋はまぁ普通だがこの普通がよい。ちゃんと窓際の謎スペースも付いている。
この宿の最大のウリは食事だ。
夕食までまだ時間があるので袋田の滝を見に行くことにする。
旅館から歩いて3分ほどで入場できるところがある。
道にはお土産や鮎の塩焼きなんかが売ってる売店が並んでいる。
こういう自然が見どころの観光地は閑散としてしまっているところも多いが、観光客も多く、お店も活気がある。
拝観料300円くらい払ってトンネルに入る。
妙に雰囲気のあるトンネルだ。すでに滝の轟音が響いている。
おお、これはすごい。
写真だとスケールがわからないが、人生で見てきた滝の中でも圧倒的に大きい。
何より半端ない水量だ。行水でもしようものなら木っ端微塵である。
エレベーターで上から眺めることもできる。
大きく三段に分かれていて、踊り場のようになっている。
三段目を横から見ると上の写真のような感じ。
左に人がいるのがわかるだろうか。大きいよね。
音もしぶきもその分すごい。こりゃ日本の滝で三本指にはいるのは当然だ。
さて、存分に満足したところで、宿へ戻ってひとっ風呂。
温泉ではないと思うが丁度いい温度で癒やされた。
登山の汗もきれいさっぱり。
ビールを開けて食事まで待機。
コカコーラの薄っぺらい栓抜きがたまらない。
この時間が最高なんですよねぇ。
次回はこちら。
【ひとり旅4】筑波山登山のついでに茨城の至高の旅館で一泊する話(その2:筑波山登山編)
前回の記事はこちら。
筑波山登山。
準備をして登山靴を履いて登山口へ向かう。
時間は9:30。思っていたより遅くなってしまった。
登山靴はソールが硬いのでアスファルトの道を歩くのは大変苦痛だ。
天気は曇り空だが、その分ジメジメして暑い。ただでさえ重い体がより重く感じる。
自分が言うのもなんだが真夏の低山登山というのはなかなか常軌を逸した行為だと思う。
来なきゃよかった・・・
山登りの直前というのはネガティブな思考が次々と湧いてくる。
ルートはいくつかあるが今回は御幸ヶ原コースで登る。
帰りは余裕があったら別のコースで帰ってこようかな。
筑波山神社を素通りして山道へ。
こういった山とセットになっている神社仏閣は下山後にお参りすることにしている。
登山の安全を祈るとなんだか損した気になるからだ。
仕事とか健康とかそっちのほうにご利益を回したい。
登山道に入ると昨日雨が降ったせいか上から水が流れている。
一応登山靴は撥水性性があるので問題ないが、スニーカーだったら即Uターンだっただろう。
滑りそうで怖いが水の音が涼しげで結構楽しい。
少し登ると霧がかかってちょっといい雰囲気になった。
正直、蒸し暑くて汗がダラダラ出てそれどころではない。
この時期に来たことをすでにだいぶ後悔している。
この山には珍しいことにケーブルカーが通っていて登山道のすぐ脇を通る。
高度文明の時代に自らの足で山に登る愚か者をあざ笑うかのように、ワイヤーがキュルキュルと唸っている。
途中パラパラと雨が降り出していよいよ帰ろうかとも思ったが、登っていると青空が見えだした。
晴れると更に暑くなる。高い山ではないので登っても涼しくはならない。
登山自体久しぶりで足も痛いし、そろそろ勘弁してくれと思いだしたところで山頂に着いた。
下を見ると雲が厚く雲海っぽくなっている。
先ほどまで負の感情に押しつぶされそうだったが景色を見ると途端に生きる希望が湧く。
こちら側は雲が薄く田んぼと街が見える。
非常に夏らしい風景だ。
正確にはここは山頂ではなく、10分ほど更に登ると男体山の山頂がある。
せっかくなので行ってみたが景色は大して変わらなかった。
そのつもりはなかったがメニューをみてたら食べたくなってしまったのでけんちんうどんをポチり。
おにぎりはセブンのおにぎりセット。
当然美味しいよね。
うどんは太めの麺でGood。コシの少ない田舎風うどんでたまらない。
汗をかいたあとの濃いめの味付けもね。
何よりクーラーが効いた涼しい空間が最高だ。
食べ終わってからも椅子に座ったまま少し休憩。
このクソ暑い中また歩いて下るのか・・・。
・・・。
言い訳はしません。
そういうことです。
次回に続きます。
【ひとり旅4】筑波山登山のついでに茨城の至高の旅館で一泊する話(その1:出発とラーメン編)
茨城にはおそらく行ったことがない。
幼い頃の記憶は曖昧だが、生涯通して茨城県で観光とかの類をしたことはないと思う。
なにせ茨城に行ったことがない、ということを思い立つ日まで忘れていたくらいだ。
鳥取を青春18きっぷの目的地にしたことがある私でも、訪れたことすらない茨城県…
これは次のひとり旅の目的地にするほかない。
ちなみに先ほどから茨木と書きそうで非常に危なっかしい。
茨城でなにをするか?
実は私の数少ないもう一つの趣味は山登りである。
ハイキングでゼーハーレベルだが、山登りの雰囲気と空気や感じる達成感は好きだ。
登山後のビールはもっと好きだ。
手頃な山に登ってどこかいい感じの茨城の旅館で一泊しよう。
我ながら最高のスケジューリングだ。
出発は朝の3時、移動手段は車。
浜松から茨城だと移動距離がそこそこあるし、手頃な山とはいえ登山なので早めに出発する。
途中、足柄サービスエリアで休憩。
まだ距離もあるし、山登りの直前に腹ごしらえしたくないのでここで食べていくことにする。
ラーメン。
いわゆるサービスエリアのラーメンではないが、サービスエリアのレベルの範疇の味だ。
こういう早朝にパーキングで食べる食事は非日常感があってよい。
時間に余裕があるし食べて眠たくなったので車で30分ほど仮眠。
眠い目をこすりながら目的の山へ向けひた走る。
今回登る山は筑波山だ。
特に大した理由もないが、ケーブルカーやロープウェイもある観光地の山でお手軽そう。
さらに筑波は茨城の中でもダントツに茨城感のある場所だ。個人的に。
交通の便もいいし、ファッション登山家としては大変都合のいい山である。
高速のインターを降りてGoogleマップに従い走り続けると、大きな赤い鳥居が見えてきた。
筑波山神社の鳥居だ。
市営駐車場に駐車し、準備をして登山口へ歩いて向かう。
半年ぶりくらいの山登りだけど大丈夫かな?
次回へ続きます。
【ひとり旅3】出張ついでに異国文化の地、長崎を旅行してみる(その7:カスドースと佐世保バーガー編)
前回の記事はこちら。
長崎の旅も今日で終わりだ。
出張ついでの旅行なので、会社へのお土産も少しは買っていかねばならない。
長崎といえばカステラだが、あまりにもありきたりで無難だ。
しかも個包装のものは高級品で金額もかさむ。
他に長崎らしくて絶妙にインパクトのあるお土産はないだろうか・・・
滞在中に調査に調査を重ねたところ、「カスドース」というお菓子を見つけた。
「カスドース」・・・。
カスはカステラのカスらしい。ドースは謎だ。
簡単に言えば、カステラのフレンチトーストで、カステラを卵につけて揚げてつくるようだ。
こんなにもロックなお菓子が長崎にあったなんて。ぜひ食べてみたい。
しかし、長崎駅で売店を探してもそんなものは一切見当たらない。
あまり出回らない商品なのだろうか?
調べたところ、佐世保の土産品店で取り扱いしているらしい。
過去にテレビなんかで散々飯テロされてきた佐世保バーガーを食べる絶好の機会である。
帰りの新幹線の時間を変更してから、早速佐世保へと向かった。
日本地図のさきっぽなので距離感がわかっていなかったが、長崎から佐世保までは電車で2時間程度かかるようだ。
頭の中は佐世保バーガーへの期待でいっぱいだ。
甘ったるそうな謎のお菓子のことなどどうでもよい。とにかく佐世保バーガーを口いっぱい頬張りたい。
長い長い電車移動が終わり、佐世保駅に到着。
時間はちょうど昼時、有名な佐世保バーガー屋さんへ即座に直行する。
できれば店内で食べたかったが、中年近い男性がひとりで、という雰囲気ではなかったのでテイクアウトして近くの公園へ。
川沿いの公園。小雨も降ってるし(一応屋根はある)カラスも続々と寄ってきたが、初めての佐世保バーガーへの期待感で胸はいっぱいだ。
パティは薄めだがプリプリした卵と折りたたまれたベーコンが眩しい。
食べると、確かに美味しい。
何かの具材が秀でているわけではなく、一個のハンバーガーとして完璧なバランスが保たれている感じ。
初めて食べるのに懐かしい味がするのが不思議だ。
腹も満たされ、雨降る公園にひとりという状況が身にしみ始めてきたところでカスドースを買いに行く。
土産屋は佐世保のアーケード内にあり、無事に目的のものを買うことができた。
これにてこの旅のアクションアイテムはすべて完了である。
初めて訪れる場所、見るもの、食べるものが多くて楽しかったけど、総評すると「まぁこんなものかな…」。
この冷めた感じがひとり旅の醍醐味だと思います。たぶん。いや違うかも…
次はどこへ行こうかなぁ。
【ひとり旅3】出張ついでに異国文化の地、長崎を旅行してみる(その6:爆弾ちゃんぽん編)
前回の記事はこちら。
長崎の夜はやはりラーメンで〆ることにする。
「思案橋ラーメン」のバクダンチャンポン。
「バクダン」とは、上に乗っている白いペースト状の物体を指す。
ニンニクと脂を混ぜ合わせたようなもので、匂いもすごい。
美味しい。
ベースのスープは非常にあっさりしているが、バクダンを溶かすことでコクとパンチが上乗せされる。
食べた瞬間はニンニクの強烈な風味を感じるが、意外とあと引かず飽きずに食べられる。
ちなみに、店内には福山雅治のサイン色紙がたくさん飾られている。常連のようだ。
これ以来、テレビで福山雅治の顔を見るとニンニクの匂いが脳内鼻腔を突くようになったが、特にファンではないので困っていない。
美味しかったものの、たらふく餃子を食べた後の爆弾はさすがに効いたので、おとなしくホテルへ帰って休むことにした。
長崎2日目の朝。
朝食付きのプランにしなかったので、朝ごはんは中華街へ。
とはいっても、朝早くお店は空いていないので、店先で売られていた角煮まん。
長崎は角煮まんも名物らしい。
角煮は微妙に八角がきいていておいしいが、絶賛するほどではない。
眠い目をこすりながら買いに出たのでどの店で買ったかは覚えていないが、もっと美味しい角煮まんは世の中にたくさんあると思う。
チェックアウトギリギリまで部屋にこもり、ホテルを出る。
外はまるでスコールのような大雨である。
傘を持たない数十人の中国人観光客がファミマの軒下で雨宿りしている。
傘をさしても濡れるので、小走りで路面電車の駅へ向かう。
次回へ続きます。
【ひとり旅3】出張ついでに異国文化の地、長崎を旅行してみる(その5:一口餃子編)
前回の記事はこちら。
長崎のホテルにチェックインして少し休憩。
長崎では軍艦島のほかもう1箇所行きたかった場所があるので路面電車で向かうことにする。
長崎原爆資料館と平和公園。
広島のは修学旅行含めて何度か訪れたことがあるけど、こちらははじめて。
写真の銅像が有名らしいけど初めて見た気がする。
原爆資料館は広島もそうだけど海外の観光客も多くて国際色豊かだ。
全員が真剣に展示をみて何かを考えている、あの一体感が何となく好きですね。
一通り見たあと、長崎中華街とホテルがある新地に戻ってきて晩御飯にする。
中華街からすぐのところにある歓楽街「思案橋」。
黄色いちょうちんがなんともいい雰囲気。
外国人が多いわけじゃないけど不思議と異国情緒を感じる。
目的は一口餃子。
博多が有名だけど長崎にもあるようだ。
一軒目は「宝雲亭」。
さっそく餃子一人前と、こちらの餃子屋さんではよくあるらしいレバテキを注文。
もちろんビールもね。
少し待つとレバテキがきた。
油のツヤがいい。味付けは軽く塩コショウだけなのでウスターソースをかけて食べるのが普通らしい。
このレバー、プリプリしていてジューシー。
そのままでも、ソースをかけてもビールに合う美味しいツマミだ。
そして餃子がきた。
いい色味、皮はサクサクして中身は肉多めだけど割とあっさりしている。
割とこのサイズ感がいい。お酒のアテ感が増すね。
このお店はこのくらいにしてもう一軒餃子屋に行こう。
次は「雲龍亭本店」。
こちらでも同様に餃子とレバテキ、ビールを注文。
瓶ビールがサッポロ黒ラベルでうれしい。
先に餃子がきた。
宝雲亭と比べるとより皮が厚めだ。
一口食べると・・・うまい・・・。
皮はもちもち、餡はガツンとにんにくが効いてパンチがある。
野菜と肉のバランスもちょうどいい。
あまりにも美味しいのでもう一人前おかわりしてしまった。
完全に一口餃子を見くびってました。浜松にも出店してください。。。
レバテキもグッド。
レバー自体は1件目の方がプリプリで美味しかったかな。
最後ににらたま。
薄めの味付けで玉子がやさしい。
常連らしいお客さんを見るとこれにもソースをかけている。
意外と長崎はソース文化なんだな。
ビールのおかわりとせっかくの九州なので芋焼酎もいただいた。
いやぁ大満足。
思案橋も暗くなるとより雰囲気を増す。
シメでも行きますかね。
次回に続きます。