ひまつぶしのひとり旅

ひまつぶしでひとり旅してます。

【ひとり旅2】関東最東端!銚子のホテルでひとり漁師料理を堪能する(その5:旅館の朝食編)

前回の記事はこちら。


銚子の朝。
日の出を見ようと思いたち朝4:50に一度起きたのだが、残念ながら曇っていて見えなかった。
雨男ではないと自負しているが、旅行で快晴になることも少ないように思う。
雲男。手首から糸を出せないタイプのクモ男だ。
すぐさま二度寝。朝食は遅めの8時をお願いしたのでまだまだ寝ていられる。

 

寝汗を流すため朝食前に風呂に入る。
これだけ海が近いと夜中は寒いのではと思っていたが、むしろ暑いくらいだった。
エアコンは一切つけていない。
ちなみに昨晩は波も穏やかでうるさいとは全く感じなかった。

風呂の男女は入れ替え制とのこと。
間違えないよう気をつけるつもりだったが、そもそも客は私しかいないので男湯しか照明が付いていない。
汚したりすると一発で犯人は私とバレるので、多少なりとも気を使いつつ、気持ちよく浸からせてもらった。

いよいよお楽しみの朝食の時間だ。
不思議なもので、昨晩あんなに満腹でも寝て起きるとすっかり空腹になっている。
少し早めに会場に行くと、すでに食事が用意されていた。

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待ち望んだ漁師料理の朝食


鰯の刺身、鯖の塩焼き、ひじき煮、つみれとアラの味噌汁、そして、後から温かい金目鯛の煮付けを持ってきてくれた。

虹色に光る鰯はつい先ほどまで泳ぎ回っていたのが見て取れる。
金目鯛は昨晩の夕食でお造りを彩っていた彼(女)だ。
煮汁の照りをたたえ、その大きな瞳が誇らしげに見える。
右上の固形燃料のは目玉焼き。

これは…まずい。
すべてが殿堂入りのおかず、ご飯との相性がサチュレーションしている。
その不安をつっぱねるが如く、おひつ内には2合はありそうな大量の銀シャリが待機している。

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鰯の刺身

まずは鰯の刺身から。美味い。
青魚らしい匂いが少なく、目をつむったら白身と言われてもギリ納得するくらいあっさりしている。
それだけ新鮮なのだろう。それでいて鰯特有の旨味は抜群だ。
夕飯で出た鰯のフライとはだいぶ世界観が違う。

 

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照り照りです

金目鯛の煮付け。半端ない。
煮汁は濃い味付けでまさしく漁師料理
生姜でごまかすことなく醤油のしょっぱさと砂糖の甘さがガツンとくる。
すごいのは、金目鯛がそれに負けていないということ。
濃いタレを味方につけて自らの身と皮を煮付けとして昇華させている。
煮汁に浸かった骨は名匠の打つ日本刀の如く光り輝いており、ポートレートモードで接写したくなるような艶めかしさである。

もうゴタクはいい。食うのみだ。
ひじき煮も漬物も味が濃い目で、漁師が好みそうな味付け。
漁師はこれでいいのだろうが、昨晩からネットサーフィンでヘラヘラして寝ただけの男が食していいものではない気がする。
今を頑張る者だけが許される食事だ。
私が頑張ったことといえば日の出をみようと早起きしたこと、使い終わった風呂場のイスを元の場所に戻したことくらいだ。あと部屋の電気は消した。
これくらい業を積めば少しは許されるだろうか。

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濃い味付けのひじき煮。箸休めには向かない。

女将さんと仲居さんが交代でやってきて、しきりにおひつの中身を気にしておかわりを勧めてくれる。
この充実のおかずでも、さすがに2合は食べない。
私を太らせて朝食の一品に加える気なのだろうか?
まぁこの煮汁に浸からせてもらえるなら人生を全うしたと言いきれる。

ここでさらに女将さんから悪魔の誘い。
金目鯛の煮汁をご飯にかけるとおいしいですわよと。
さすがにそれは犯罪級ではないかとも思ったが、もうここまできたら何でもいい。
最後の一杯と言い聞かせて煮汁を2周回しかける。
「まぁうまいわ…」一人の個室で思わず口からこぼれた。

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そりゃうまいよね


煮汁ごはんをかっ込み、骨に残った身と皮を何巡もしゃぶってこそぎ取る。
セルフ間接キス状態だが気にしない。
今考えると完全にキマッていた。あの姿を人に見られたら社会的信用を失っていただろう。

ごちそうさまです。
なんとかご飯は茶碗4杯に抑えた。
凄まじい満足感を感じつつ、部屋に戻った。


美味しい朝食を終え、部屋に戻ってきた。
この時点で今回の旅の目的「漁師料理を堪能する」は成し遂げられたので、もうあとは帰るだけ。

 

…というわけで、以上で銚子旅行はおしまいです。
帰りに港町を少しだけ散策したんだけど、特にここに書くほどでもないので終わりにします。
心あたたまるホテルと漁師料理、さいこうでした。

その日の昼食はそれとは対局にあるものを求めて歌舞伎町に。

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それでは、次のひとり旅まで。