ひまつぶしのひとり旅

ひまつぶしでひとり旅してます。

【ひとり旅2】関東最東端!銚子のホテルでひとり漁師料理を堪能する(その2:銚子とホテル編)

前回の記事はこちら。

 

関東の最東端「銚子」にやってきた。

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銚子駅前ストリート

駅を出ると広いメインストリートが伸びている。その先は利根川の河口でほぼ海だ。
潮の匂いもする気がする。
駅のすぐそばにはファミマもマックもあってだいぶ利便性に優れている。

少し歩くとピザーラも見つけた。そういえば総武本線の沿線でもピザデリの店を何件か目にしたし、関東圏はピザ宅配の文化が根強いのだろうな。

それ以外の感想は特になく、8分ほど歩いて銚子駅に戻ってきた。
ここから銚子電鉄に乗って今日の宿へと向かう。
銚子電鉄の駅舎が近くにあるのかと思っていたが、辺りを見回してもそれらしき建物はない。
JRホームの奥に銚電のホームがあるようだ。銚電利用者はJR駅員に声をかけて改札を通るようにとの指示が掲示してある。

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否が応でも哀愁を感じる車両

指示に従って2番ホームの奥へ向かうと、ベージュと朱色のツートンカラーでいかにもレトロな車両が停まっている。
なるほど、こういう感じね。
ホームに券売機もない。車内で精算するようだ。
こういう車両特有のガッコンッ!という轟音でドアーが閉まり、発車する。揺れも大きい。

銚子から終点の外川までは10駅20分の道のりらしい。
私は途中の海鹿島で降りる。これで「あしかじま」と読むらしい。女性の車掌さんが精算に来る前にとっさに調べた。

車両もすごいが次々と停車する駅舎も古さを上手く残している。これを維持するのは大変だろうな。

そんなことを考えているとすぐ海鹿島駅に着いた。
絵に描いたような無人駅だ。古めかしい駅看板がいい味を出している。

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海鹿島駅

ここから本日の宿「大徳ホテル」までは歩いて7,8分というところ。周りは住宅地というか、古いアパートや借家と思われる小さな家が多い。
昔は大勢の漁師さんが地方から来て暮らしていたのかな。

坂を下ると、潮の匂いが一段と強くなり、海が見えた。
夏は海水浴もできそうな小さな海岸線。その目の前に大徳ホテルがある。

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本日の宿「大徳ホテル」

外観は古い。
事前にGoogle Mapの写真で見ていたので、特に驚きはない。
「ホテル」と名乗っているのだから、誰がなんと言おうとホテルだ。
ホテルも旅館も民宿も、厳密な定義は知らないので文句の付けようがない。そもそも文句を付ける必要がない。
うん、そうだそうだ。一呼吸おいて玄関をくぐる。

入った瞬間、女将さん方にとても温かく出迎えていただいた。
絵に描いたようなと言ったら失礼だが、旅館で連想する手厚い歓迎のアレである。
自分のテンションとの差に少し笑いそうになってしまった。すなわち照れ笑い。
照れ笑いしてしまうということは自らの精神が未熟ということだ。
早く何事にも動じない大人になりたい。

そそくさと記帳して仲居さん(?)に部屋に案内してもらう。
この仲居さんも感じがいい人だ。
恐らく、本日正式な客は私一人のようだ。
玄関の歓迎一覧には私ともう1グループ記載されていたが、ずっとそれらしき姿は見えかった。
もしかすると、私が気を使わないように配慮してくれたのかもしれない。

お茶を淹れてもらいながら仲居さんに伺うと、今日は日曜日なので空いてるが、土曜日やGWは予約で一杯らしい。
いつも家族連れが多いが、一人の客も多いとのこと。若い女性が一人というのもよくあるという。

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本日泊まる部屋。これほど真っ当なオーシャンビューはそうそうないだろう。

部屋はというと、素晴らしいオーシャンビューだ。
2階の角部屋で窓が2方向に付いていて明るい。畳に座っても海が見渡せるとは恐れ入った。

お茶を飲んで一息ついたところで、海辺の散歩にでも行こうかな。

 

次回に続きます。

【ひとり旅2】関東最東端!銚子のホテルでひとり漁師料理を堪能する(その1:駅弁編)

今回のひとり旅、目的地は千葉県銚子だ。

 GWの前週、月曜日に有給をとって、日・月の1泊2日。
11:23浜松発のこだまに乗り込んで出発した。

朝食を食べていなかったので、浜松を出てすぐにキヨスクで買ったサンドイッチを食べる。
このひとくちサイズのがたくさん入ったタイプがなぜか昔から好きだ。旅行に来た感じがする。

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4種を2巡できるサンドイッチ。1巡目を食べてる間「まだ2巡目がある」と思えるのが幸せ。


私がひとり旅の計画を立てる際は、基本的に観光には興味が無いので、食か、宿か、乗り物かのどれかに主軸を置くことになる。
今回は「宿」が目的。
ビジネスホテルであれば全く問題ないが、いわゆる観光地にあるような温泉旅館やホテルに一人で止まるというのは少々勇気がいるものだ。
ひとり旅人口が増えてきた昨今、以前よりはマシなのかもしれないが、そういう場所に一人というのはやはり違和感を感じてしまう。
ホテル側も二人部屋に一人というのは収益率も下がるし、よくは思わないだろう。
しかし、ひとりものとしても人並みに温泉に浸かって美味しい料理を堪能したい。

その救世主が「ひとり旅プラン」である。
わざわざそういうプランを設定するということは、少なくとも「一人客に対してそこまで嫌悪感はもっていない」というホテル側の姿勢が伺える。
誘いにまんまとのって「うわぁ…ホントに一人で来たよコイツ…」と思われる可能性は捨てきれないが、そこは口コミなんかを判断材料にしてあとは運否天賦に任せるしかない。

いつもじゃらんで宿を予約しているが、じゃらんはひとり旅プランがある宿に絞って検索をかけられるので重宝している。
今回は千葉県の「大徳ホテル」に決めた。それがどうやら銚子にあるようなのである。
銚子といえば「孤独のグルメ」で五郎さんがサーファー定食を食べたのがその辺りではなかったか。
漁師料理。五郎さんも秋刀魚のなめろうか何かを美味しそうに頬張っていた。
なんと口コミを見ると大徳ホテルは漁師料理がウリのようである。評価も4.4と高い。
ゴロー教信者としては、ぜひとも教祖に倣って同じ地で漁師料理を堪能したい。
そんなわけで銚子を目的地としたのである。
ちなみに、宿が目的と言っておきながら予約したのは出発の前日である。

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新幹線から望む富士山(笠オプション)

静岡駅を過ぎて富士山が見える。今日は笠雲だ。
浜松に住んでいると普段富士山など見えないが、なんとなく思い入れは深い。
このきれいな山が日本で一番高いというのもなかなかすごい。富士山を見るといつもそんなことを考える。
時代が違えば熱心な富士山信仰者になっていただろう。ゴロー教との掛け持ちは可能だろうか。

実は今回、目的地を千葉県にしようというのは前々から決めていた。
おそらく千葉に旅行に行くというのは人生通して初めてだ。
どうしても関東圏は旅行先の候補に最初から入らないことが多い。しかし、浜松からの距離や交通の便を考えると積極的に開拓すべき場所だと最近になって思えてきた。
今回は銚子ということで房総半島の付け根だし、最初の一歩としては最適ではなかろうか。

13:16に東京駅着。ここから13:40発の特急しおさいで銚子に向かう。
初めて乗るが「しおさい」はなかなか独創的な車両だ。座席の色は藍と黒、車内もグレーが基調でなぜだかサイバーパンクな印象を受ける
独特な匂いもあるが臭いわけではない。

東京を出ると少し地下を走る。
電車が地上に出て錦糸町を過ぎたあたりで、東京駅で買った「こぼれイクラとろサーモンハラス焼き弁当」を食べる。
いかにもな見た目だが100%うまいやつだ。
脂ののったハラスとイクラ、背徳感がありビールがすすむ。

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ハラスとイクラの駅弁。いつもありがとうプリン体


千葉駅を過ぎると急に田んぼや畑が姿を現し、10分も走ると田舎風の風景となる。
なるほどこれが千葉か…。
閉店したコンビニのテナント、色あせた看板の西松屋…段々と親近感が湧いてきた。
まぁたぶん、千葉で栄えているのはもう少し房総半島の内陸側なのだろう。
それまで晴天だった空もなぜか雲に覆われたが、これはたまたまかな。

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銚子へ向かう。田舎寄りの都会か、都会寄りの田舎か。

しばらく揺られて15:28に銚子着。
ここから銚子電鉄で宿に最寄りの駅まで向かう。
25分ほど余裕があるので、少し銚子駅前を散策しようかな。

 

その2に続きます。

【ひとり旅1】北陸の大都会!金沢をいく〜2019春〜(その4:市場の居酒屋編)

前回の記事はこちら。

 

近江町市場で牡蠣を食べたあと、こちらの居酒屋のようなお店に入った。

こういう朝からやっている居酒屋は旅行者には大変ありがたい。
火曜日でガッツリ平日ということもあるが、朝10時なのでお客さんもまばら。観光地でも長居しやすい。

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近江町市場内の居酒屋「あまつぼ」

やはり海鮮丼が推しのようだが、ゆっくり飲みたいので生ビールと刺身三種盛りを注文。やっぱりブリは地元で食べるより美味しく感じる。

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三種盛り。1,000円くらいだったかな。

次に入り口の暖簾にも書かれていた金沢おでん。
前々から金沢おでんがどんなものか気になっていた。梅貝が入っているのは知っていたが、梅貝が含まれている盛り合わせは1,600円くらいして怖気づいたので1,000円の盛り合わせに…。
梅貝は昨日も食べたしね。

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金沢おでんの盛り合わせ。でかい。

おでんなので注文したら盛りつけされてすぐ出てくる。そう考えるとおでんってお店としては扱いやすそうだ。

それにしても一つ一つが大きい。写真だとわかりにくいが、付いているレンゲは普通サイズのレンげだ。ラーメン用のやつ。
少なくともちくわはレンゲよりも長いことがわかる。

まずは存在感のある厚揚げをぱくり。美味しい。「厚揚げ」という言葉以外では形容のしようがない美味しさだ。
出汁の味はよくある美味しいやつ。ひどい語彙力だ。

厚揚げの下敷きになっているのは車麩で、これも金沢おでんの中ではオールスターらしい。大きい上に汁を最大限に吸い込んで凄まじい重量になっている。
味はお麩だ。「お麩」という言葉以外では形容のしようがない美味しさである。

 

もう一品ということで、ホタルイカの酢味噌かけを注文。もちろん日本酒と一緒に。銘柄は「宗玄」だったかな。

丁寧に骨を抜いてくれたためか、少し時間がかかってホタルイカが到着。
見た目もきれいでプリプリ。
食べるとこれは…めちゃくちゃ美味しい。地元だとホタルイカは沖漬けが多いが、酢味噌だとそのものの味がよく分かる。
肝は上品な味でまるで蟹味噌のような風味もする。さわやかな酢味噌と一緒にお酒で流す。あぁ最高。。。
この旅で一番と言えるほど美味しかった。

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ホタルイカ。これは…いいです。

食べごたえのあるおでんも日本酒とともに平らげる。多くてもおでんなので楽勝だが、大きい方の盛り合わせにしなくて正解だった。

お会計をして店を出る。4,500円ほどだったかな。
混んでる中海鮮丼を食べるのも市場感があっていいけど、落ち着いてお酒を飲めるほうが嬉しいな。

 

さて、そろそろ帰りますかというところだが、やはり金沢に来たら未だにあれを食べたい。

近江町市場を駅方面に出て目の前のショッピングセンターへ。

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金沢カレーはキャベツが美味しい

金沢カレーです。めいてつエムザの地下にあるゴールドカレー。
妙に細切りのとんかつが食欲を増す。浜松にもカレーのチャンピオンがあるけど、あんまり食べようと思わないんだよなぁ。でも食べるととてもおいしい。

セルフサービスでなぜか具なしの味噌汁が付く。カレーの濃さに負けない強めの出汁で不思議と相性が良い。適当なようで意外と考えられた構成なのかもしれない。

 

金沢グルメを堪能してお腹も膨れたので、駅へ向かう。

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金沢ともお別れ。快晴だ。

昨日もそうだが平日というのに沢山の人が駅前で写真を撮っている。
私はどこかを訪れた証明として最も手っ取り早いので駅の写真はよく撮るのだが、常人は駅自体を被写体とすることはあまりないと思う。

皆これからする金沢観光に期待を寄せているのだろう。
せいぜい楽しむがよい、と心の中でニヒルにエールを送る。たった一日早く来ただけだが、金沢に関しては私のほうが先輩である。

 

そのまま改札に入り、来たときと同様に特急で帰路につく。
特筆すべき事は特にないのだが、途中、名古屋に寄って味噌煮込みうどんを食べ、スパイダーマン スパイダーバースをIMAXで観た。めちゃくちゃ面白かったということを一応記しておこう。

 

そういうわけで、以上で2019年春の金沢旅行は終わり。
ひとり旅なので特に感想もないのだが、いい旅だったと思う。

 

毎週というわけには行かないが、今後も月に1回位は旅行に出てこうして記していきたい。
もしみてくれる方がいらしたら、どうぞよろしくお願いします。

 

 

【ひとり旅1】北陸の大都会!金沢をいく〜2019春〜(その3:生牡蠣 in 近江町市場編)

前回の記事はこちら。

 

金沢2日目。

 

そこまで早く起きる必要はないのだが、7:00ごろに目が覚めてしまう。体質のせいか不健康のためかわからないが、旅行のときぐらいぐっすり寝たいものだ。

とは言っても、今日は朝から近江町市場に行こうと決めていた。平日だが昨日の様子で予想以上に混雑していることがわかったので、できるだけ朝の空いている時間に行きたい。

 

1時間程度うだうだして、だらだら準備をしてチェックアウトした。カードキーをポストに入れるだけだ。さすが効率化が進んでいる。

 

市場まで歩く。昨晩キャッチの間をすり抜けて歩いた街の様子とはうってかわって、とてもさわやかだ。気温は低いが春らしい晴天が広がっている。

それにしても、石畳や石垣が多い。景観を意識して配置しているのだろう。実は昨日歩きすぎて足の指に豆ができており、足元がおぼつかない。さすがに石畳で転ぶことはないと思うが、心底情けなくてため息が出る。

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金沢朝8時の道

通り道だし、せっかくなので兼六園を軽く見ていくことにする。1月に訪れたばかりだが梅の季節ということで。

植物など基本的に興味がないが梅の花は好きだ。視覚的に春を感じるし、桜に比べて何というか焦燥感がない。桜は満開までカウントダウンのように焦らされるし、あっという間に葉桜になる。ホラ満開だよ見て見てホラという感じが苦手なのだ。

 

なるほど確かにバッチリ梅が咲いている。普段花の写真など一切撮らないくせに、こういうときはありがたがってパシャパシャ撮る。構図はセンスなしだがiPhoneXSに頼って色味はきれいなのが我ながら憎らしい。

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梅。ピンクタイプ。

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梅と謎の鳥

アジア系の観光客が多くてざわざわしていたが、それでも兼六園の雰囲気は良い。もう少し暖かければ一日中日向ぼっこして余生を過ごしたいところだ。まだ20代ですけど

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空と池

せっかくなので金沢城跡も見ていくことにする。広い城内にはきれいな芝生とお堀。兼六園もそうだが、これを維持していくのは大変なんだろうな。芝生に入っても大丈夫なんだろうが、なんとなく遠慮して舗装された道を歩く。

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金沢城公園

歩くだけというのもなんなので、菱櫓とか五十間長屋?の展示を見ていくことに。兼六園とセットで500円だった。歴史にあまり興味が無いので特にコメントなし。なら書くなよだよね。

 

金沢城公園から近江町市場はすぐの距離だ。といっても園内が広いので足に疲労感を感じてきたところでやっと市場に着いた。

時間は10時。市場内もまだ昨日ほどの混雑ではない。今年の冬もいよいよ終わりということで最後にいい牡蠣を食べよう。牡蠣がずらりと並んで迫力があるこちらのお店へ。

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牡蠣が並ぶ。ラミネートのおかげで彩りも鮮やか。

値段の違いはよくわからないが基本的にはサイズなのかな。いい感じのところで1,000円の岩牡蠣をチョイス。ちょっと高いがまぁこんなものだろう。

お店の人に剥いてもらってレモン汁をかけて食べる。うん、ぷりぷりだ。ハードルを上げすぎたせいか少し味は薄く感じたけど、生牡蠣はこの特別感が重要だ。

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牡蠣、かき、カキ…

おいしかった。もう少しいろいろ食べたいが食べ歩きは疲れるので居酒屋のようなお店に入ろう。

 

次回に続きます。

【ひとり旅1】北陸の大都会!金沢をいく〜2019春〜(その2:アパと夜のラーメン編)

前回の記事はこちら。

 

もりもり寿しにて北陸の幸を堪能したところで本日のホテルへ向かう。


今回はみんな大好きアパホテル。ホテルは先程新幹線の中で予約した。

3度目の同じ道を経由して片町へ向かう。
金沢の街は駅から歩いてビジネス街、繁華街へと変化していく。強制的に住み分けされている感じで行政の統率力の強さを感じる。

30分近く歩いて、ようやく本日の宿に到着。

そそくさとチェックイン。毎度家に忘れるAPA会員カードも今回はばっちり持参した。

 

部屋はうん、アパ、という感じ。

それにしてもテレビが異様にでかい。写真ではわかりにくいが、ベッドに座ると視界の7割がテレビだ。

寝間着の上に折り鶴も完備。

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ホテルの室内。まぁこんな感じだよね。

部屋から外を覗くと付近に姉妹店のようなものがあるのか、青いアパグループの看板が見える。
微笑むアパ社長の眼差し。
部屋の内からも外からも宿泊客を見守ってくださるとは、なんとも頼もしいホテルだ。

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常に見守られている。

 時刻は16時。寿司をたらふく食べてしまったのでお腹が膨れている。
夕飯のために腹を空かせなければ。このホテルには大浴場があるので早速行ってみたが、この露天風呂が思いのほか気持ちよかった。

屋根がなく開放感があるし、自分より高いビルがないので街を見渡せる。湯船に浸かりながら、交差点を歩く人々の姿も見える。平日なのでスーツ姿の人も多い。仕事なんかしてくだらないな、と本気で思う。

サウナもしっかり備えられている。小さいが水風呂もあるのでトリップも可能だ。この大浴場だけでも十分1,000円の価値はあると感じた。

ちなみに、われわれの裸体も青い看板に鎮座する社長の瞳にしっかりと捕らえられている。

 

さっぱりしたところで部屋に戻って一服する。夕方のニュースをみたりiPadYoutubeサーフィンしたりと家にいるときと何ら変わらない時間を過ごす。家にテレビがないので、昔のようにテレビをじーっと見る機会は旅行中だけになった。

何も旅先で…と改めて思うが、ホテルでのこういう時間も旅行においては大切なのだと思う。知らない土地に来て、やっと手に入れた自分だけの空間というのは非常にありがたみを感じる。家以上に自分の家という感じがして心から落ち着く。この感覚が一人旅を続ける源泉なのかもしれない。

 

うだうだしていると20時をまわってしまった。事前に少し調べて行ってみたい居酒屋があったのだが、いまいちお腹の空き具合が悪い。とりあえず狙いの居酒屋を回ってみて、行けそうな雰囲気だったら入ってみることにしよう。

部屋番号を忘れないようドアの写真を取り、ホテルを出た。

月曜日というのに人通りが多い。やはり金沢は都会だ。キャバクラやら何やらのキャッチも多い。ひたすら同じ場所をうろついていたのでキャッチのおじさんにも顔を覚えられたことだろう。

30分以上歩きまわって、調べた居酒屋の前も何度か通って店の中を覗いたのだがずっとカウンターがいっぱい。迷ったすえ…

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看板のフォントになぜだか親近感が湧く。

北陸で知らない人はいないという8番ラーメン。時間と足を使い果たした挙げ句ラーメン屋という、0点の結果となった。我ながら情けない。

とりあえず生ビールと焼餃子。餃子は可もなく不可もなく。さんざん歩いたのでビールが美味しい。

今日のお酒は以上にして、野菜ラーメンの塩を注文。さすが北陸民に長年親しまれているだけあって、野菜たっぷりで美味しい。野菜とスープは中華鍋であおられてから麺と合わさるので熱々だ。タンメンというよりは確かに野菜ラーメンかな。なんとなく。

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野菜塩ラーメン。8のなるとがキュート。

ホテルへ戻り、再びテレビとYoutubeを交互に眺めて眠くなったら布団をかぶる。この時も、書いている今も思うが完全にニートの生活だ。多少なりとも地方の経済に貢献している、と自分を納得させて無理やり眠りにつく。

 

一日目はここまで。

その3に続きます。

【ひとり旅1】北陸の大都会!金沢をいく〜2019春〜(その1:回転寿司編)

今回のひとり旅、行き先は金沢だ。

金沢は不思議な街だ。北陸に似つかわしくない華やかさと自己主張がある。

私は静岡県の浜松に住んでいるのだが、その中途半端な位置関係と地味さ加減から北陸には少しだけシンパシーを感じる。しかし金沢は別格だ。なんというか、街全体が「金沢」であることに自信を持っている気がする。

これが行き過ぎるとよそ者には嫌悪感が出てしまうが、金沢はそのバランスがちょうどいい。

 

出発は3月下旬の1泊2日。勤務の都合のおかげで平日休みを取ることができた。

 

浜松を9:55発のこだまに乗って出発。

青春18きっぷのシーズンだが、硬い座席でしんどい思いをして4時間も5時間も揺られ続けるだけの情熱はすでにない。ああいうのは学生や鉄道好きの方がやればよい。

 

ただ、列車に乗るという行為は好きだ。合法的にぼーっとする権利を与えられている気がする。
自我を失うほどにぼーっとしても、列車に乗っている限りは「移動」という目的は存在し続ける。人間を捨て貨物に成り果てる快感がそこにはある

 

まぁそんな話はどうでもいい。
新幹線でお決まりの東海道お茶じまんを片手にゆられていると(もちろんほとんど揺れない)、あっという間に米原だ。途中名古屋を通過するわけだが、こういう大きな駅を降りずに通過するとなんとなく安心する。たぶん都会嫌いだからかな。

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見慣れた座席と東海道お茶じまん

 

米原駅で特急しらさぎに連絡するが、40分ほど待ち時間がある。しらさぎでの飲み物を買おうと構内を見渡すが、売店が見当たらない。

仕方がないので一旦駅を出ると、お手本のような真円のロータリーの向こうに
有名な「とび出してくる彼」がいた。

今さら取り上げることでもないのだが、憎らしい少年の心に潜む闇を感じずにはいられない。その顔面に浮かぶ真っ黒な瞳は深淵へと続く洞穴のようだ。思いがけず事故防止のマスコットに君臨し、量産され続ける彼は今日もドライバーの胸に虚無を訴え続けるのである。

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今にもとび出しそうな彼。その目は何を見つめるのか。


とび出す彼のすぐ横に平和堂があった。滋賀といえば平和堂平和堂といえば滋賀、地域に根づくショッピングセンターである。

滋賀の2大名物を新幹線の駅近1分に配置するとはなかなかあなどれない町だ。
平和堂でビールとハイボール、ミックスナッツを買って駅へ戻る。

 

まだ電車の時間まで20分ほどあったのでホームの椅子に座って待つことにした。

こう書くとそこで何かあったかのように思われるかもしれないが何もない。
というかこの旅通して「何もない」。でも、こういう時間がひとり旅では大事なのだと思う。

強いて書くなら、よくよく見ると隣のホームにしっかりとセブンイレブン売店が鎮座していたことか。見なかったことにしよう。

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米原駅のホームで待つ。目の前には立ち食いそば屋。左手のホームにはセブンイレブン出張所。



少し待つと特急しらさぎが入ってきたので自由席の一番後ろの号車に乗り込む。

このあたりを走る特急は前後2席で大きな一つの窓がはめ込まれている。個人的に、窓の後ろ側に位置する席に座りたい。前側の席だと車で言うピラーが視界に入り込んで迫力が半減だ。

日頃の行いが悪いせいか、指定席で買うと何故かいつも前側になるのでできれば自由席で乗りたいところ。「指定席」は「不自由席」というやつだ。

 

しっかりと窓の後ろ側の席を確保すると、後続の新幹線が到着したのか次々とお客さんが乗り込んでくる。自分の隣にも40か50代くらいの男性が座られた。

発車するとこの男性、B5サイズのノートを取り出した。見ると鉛筆で絵を描いているようで、家々や工場なんかがびっしり詰まった町並みが見開きに広がっている。

私にはこういう創作系の才能も我慢強さもないので、感心する。恐らく趣味のものだと思うが、あまり見ると気が散るだろうと思ったので最低限の3チラくらいに抑えた。むろん、話しかけることはない。

 

次駅の敦賀で何人か降り、男性は他の座席に移動されたので平和堂仕入れたビールを開けた。

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車窓とお酒

 


いやぁいいです。

流れる風景を眺めながらのお酒が美味しい。私はこの行為の素晴らしさを学生時代の就職活動で知った。就活自体は嫌で仕方がなかったが、電車と酒のおかげでなんとか乗り切れたと思う。

今考えるとやばい就活生だったなぁ。もちろん往路では飲んでなかったですよ。

 

ところで、地元が平野でないせいか、こういう平野の景色をみると問答無用で「北海道みたい」と思う。北陸にも北海道にも失礼だと思うが、どこの出身地の人でもこういう感覚ってあるんじゃないかな。

 

13:48に金沢着。長くもないしあっという間でもないちょうどいい乗車時間。

相変わらず派手な外装の駅だ。ちょっと自己主張がすぎる気がしないでもないが、これが金沢なのだと自分を納得させる。

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大きくて迫力のある外観は金沢の玄関口にふさわしい…のだろうか

 

金沢に来て特にこれという目的はないのだが、海鮮は食べたかったので近江町市場に10分ほどかけて歩いて向かう。気温はこの時期にしては寒いが浜松とそうたいして変わらない。

 

平日だが、それでも春休みシーズンのためか市場は大変賑わっている。実は、近江町市場と兼六園にはつい2ヶ月前に訪れている。友人との福井旅行で帰路につく前の寄り道で訪れたのだ。その時は海鮮丼を食べたので、今回は鮨にしようと決めていた。

 

以前から名前だけは知っていた「もりもり寿し」に行きたいと思っていたが、凄まじい行列。人通りの多い市場の中、一人で待ちたくない…。かといって、こういう場所で食べ物屋を探してうろつくとたいてい最上級のグダりになるのを知っている。

せっかくならもりもり寿しがいい。調べると、なんと金沢駅近くのビルにあるようだ。
…よし戻ろう。こういうフットワークの軽さがひとり旅の利点だ。寿司の甘美な立ち姿だけをイメージして歩き続ける。10分足らずで同じ道を引き返す情けなさなど、寿司の前では恐るるに足らずだ。

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ありがとう近江町市場。


何という名前か忘れたが、どうやら駅横のショッピングモールの6Fにもりもり寿しはあるようだ。

エッチラホッチラとエスカレーターを上がる。正直、雰囲気もへったくれもないがどこの店舗も中身はそんなに変わらないだろう。ぶっちゃけ東京にも大阪にも支店あるし。


時間は15時前ということで待ち客は1組のみ。おひとりさまということで早々と店内に入れた。

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ショッピングモール飲食店フロアのもりもり寿し

 

ここはタッチパネル注文ということで、おひとりさまにとってはありがたいお店だ。

終始一言も発することなく人並みに食事ができる画期的システム。全国にこういった高級思考の回転寿司が増えることを願うばかりである。

 

鰤、のどぐろ、梅貝など北陸ならではの握りを一通りチョイス。どれもちゃんと美味しい。期待はずれのネタはひとつもない。

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ぶり。おいしい。

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のどぐろの炙り

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がす海老握り。がすってなんだろう。

 

北陸ならではの梅貝はうま煮も注文。冷たいけどちょうどいい味付け。肝はサザエと違ってなんだかツブツブしている。サザエより苦味も少なく食べやすいけど、フォークでひねり出すのに一苦労。

ちなみに、もちろん日本酒飲んでます。銘柄はレシートに書いてないのでうろ覚えだが、たしか加賀鳶と竹葉だったと思う。石川ってけっこう酒蔵多いんですね。

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梅貝のうま煮。結構大きいのが4つ。


お会計は酒とかつまみ含めて15皿で7,365円…。

東京でこれだけ出せば、もっと高級な寿司が食えるのではと一瞬思ったがすぐ忘れることにした。

 

腹ごしらえしたところでホテルへ向かおう。

 

その2へ続きます。

よろしくお願いいたします。

世の中には、暇つぶしで旅行をする人間がいる。

恋人や友人と楽しい時間や美しい景色を共有する、それが旅の一番の醍醐味だとよく言われる。
私もそう思う。

でも私は基本的にひとりで旅行に行く。
美味しいものを食べても、どんなに楽しいことや辛いことがあっても、すべて一人で飲み込む。
誰かと一緒に遠出するのはせいぜい年に1,2回くらいで、私にとっては大イベントである。

正直言って、ひとりで旅するのは寂しい。
ここに友達がいれば、もっと楽しいだろうなといつも思うし、苦行にすら感じるときだってある。
なぜひとり旅にこだわるのか?一緒に行ってくれる人がいないからである。

一人のつまらなさを抱えながらも、私は旅行が好きだ。
だからこそ、「暇つぶし」だと自分に言い聞かせて気分を軽くし、今日も出かけていくのである。

ただ、一人の利点もある。
楽しかった旅行の帰り道ほど辛いものはないが、ひとり旅は基本的に感情の起伏がない。
たいして楽しい思いもしないので、名残惜しいとか憂鬱だという気分を感じることなく帰路につけるのである。さっさと帰りてぇとさえ思うときもある。


さて、私はひとり旅を学生の頃からシコシコと続けてきたが、マンネリというか、この趣味にも飽きてきそうな兆しがあって、前々から興味があったブログとしてつづることにした。
最近流行りのインプットよりアウトプット、というやつである。
無意味なフリー画像で彩りだけ豊かにしたり、斜に構えた文章で読み手を苛つかせないように、自分の写真と素直な文章で書いていこうと思う。

今までの経験から推測すると、これはブログに書きたい!文章化して残すべきだ!というような体験は、一回の旅行の中で必ずと言っていいほど無い。乗り物とか、宿泊とか、食やお酒なんかをただ載せるだけの内容になるかも。


ひとり旅しようかな、というときにたまたま検索ワードにこのブログが引っかかるかもしれない。
そんなとき、チラ見していただけると幸いである。